電線の電圧降下の基本問題

1, 全長の抵抗が0.01[Ω]の単相二線式線路に電動機が接続されている。この電動機の端子電圧が100[V]、電力が6[kW]、力率が0.6である場合の電源電圧を求めよ。

解答例

電圧降下は皮相電流によるものであるので、

P=EIcosθより、I=P/(Ecosθ)=6000/(100×0.6)=100[A]

よって、電線による電圧降下r=0.01×100=1[V]

故に電源電圧は100+1=101[V]

 

2, 全長の抵抗が1[Ω]の単相二線式線路に負荷が接続されている。この負荷のインピーダンスは3+j3[Ω]で電源電圧は200[V]である。負荷に加わる電圧を求めよ。

解答例

線路抵抗を含む全インピーダンスZ1+3+j3=4+j3[Ω]

よって、Z=5[Ω]

線路及びこの負荷を流れる皮相電流I=200/5=40[A]

抵抗成分による電圧降下は4[Ω]なので、電圧降下は4×40=160[V]

この内、電線の電圧降下分は160/4=40[V]

よって、負荷の抵抗分の電圧降下は160-40=120[V]、リアクタンス分の電圧降下は3×40=120[V]

負荷全体の電圧降下は(1202+1202)(1/2) =170[V]

 

3, 単相三線式給電方式において、一方の非接地側電線を流れる電流が力率が110[A]で、他方の非接地側を流れる電流が力率が16[A]のとき、中性線を流れる電流をベクトル図より求めよ。

解答例

中性線を流れる電流は10-6=4[A]となる。

 

4, 単相三線式給電方式において、一方の非接地側電線を流れる電流が力率が110[A]、他方の非接地側を流れる電流が遅れ力率で0.66[A]のとき、中性線を流れる電流をベクトル図より求めよ。

解答例

遅れ力率の電流I

I=6(cosθ-jsinθ)[A]となる。(-符号は遅れ力率のため)

よって、実部=6cosθ=6×0.6=3.6[A]

虚部=6×(1-0.62)(1/2)=6×0.8=4.8[A]

これらを合成して中性線を流れる電流I0を求めると、

 

実部=10-3.6=6.4[A]

虚部=4.8[A]

よって、ベクトルの大きさはi0=(6.42+4.82)(1/2) =8[A]

 

別解

I0=10-6(cosθ-jsinθ)=10-6(0.6-j0.8)=6.4-j4.8[A]

この大きさを求めると、i0=(6.42+4.82)(1/2) =8[A]

また、遅れ力率はcosθ=6.4/8=0.8となる。

 

5, 図のような単相2線式回路で、負荷点Bの電圧Vb、及び負荷点Cの電圧Vcはそれぞれいくらか。ただし、A点における線間電圧は105[V]で、負荷点B及びCには、それぞれ10[A]及び20[A]で、力率100[%]の負荷である。電線の抵抗は二線でAB間が0.4[Ω]BC間が0.3[Ω]CA間が0.2[Ω]であり、線路のリアクタンスは無視する。

 

解答例

いま、電流がAからBを経由してCに流れるものと仮定し、AB間を流れる電流をI[A]とすると、

B点及びC点において電圧降下を発生するが、A点に戻ると再び105[V]となる。

AB間の配線による電圧降下は0.4I[V]

BC間の配線による電圧降下は0.3(I-10)[V]

CA間の配線による電圧降下は0.2(I-10-20)[V]となる。

よって、0.4I+0.3(I-10)+0.2(I-10-20)=0

0.4I+0.3I-3.0+0.2I-6.0=0

0.6I=9.0

I=9.0/0.6=15[A]

よって、AB間を流れる電流I=15[A]なので、AB間の配線による電圧降下は15×0.4=6[V]となり、B点の電圧は105-6=99[V]となる。

また、C点へは15-10-20=-15[A]が流れる。と言うことは、B点を経由して5[A]が流れ、15[A]にマイナス符号が付いているので15[A]A点から直接流れ込むことになる。よって、CA間の配線による電圧降下は15×0.2=3.0[V]となり、C点の電圧は105-3=102[V]となる。

 

6, 三相三線式一回線配線路において、電源端の電圧が6600[V]で、受電端の負荷電流が50[A]遅れ力率0.6である。受電端における線間電圧を求めよ。ただし、電線1条当りのインピーダンスは0.9+j1.1[Ω]とし、受電端における電圧の相差角は極めて小さいものとする。

解答例

送電線の電圧降下の公式 v=3(1/2)(IcosθR+IsinθX)より、

v=3(1/2)(50×0.6×0.90+50×0.8×1.1)=146[V]

よって、受電端の電圧V=6600-146=6454[V]

 

 

7, 三相三線式配電路において、電源側端子電圧が210[V]であるとき、負荷側端子電圧を200[V]以上とするとき、1条の抵抗を何オーム以下としなければならないか。ただし、三相負荷は6[kW]遅れ力率0.8とする。

v=3(1/2)(IcosθR)より、210-200=3(1/2)×6000/(3(1/2)×200×0.8)×R×0.8=6000R/200

6000R=200 R=0.33[Ω]

 

8, 一相当りの静電容量が0.3[μF/km]のケーブルを、こう長5[km]、三相3線式1回線の地中線に使用し、77[kV]50[Hz]の電圧を印加したときの無負荷充電容量[kVA]を求めよ。

解答例

上図よりCの充電電流Ic

よって、Ic=2π×50×0.3E-6×5×77E3/3(1/2) [A]=21[A]

充電容量Pcは、

Pc=3(1/2)×線間電圧×線電流=3(1/2)×77×21=2800[kVA]